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ヒアリング調査では、全国15か所の事業所に協力をいただいた。いずれも、就労移行率や就
労定着率について高い実績を持つ事業所である。対象の事業所では、利用者の広がりは精
神・発達障害が中心だが、障害種別にかかわらず、「就労に向け、困難性が高いと感じられる
多様な属性や背景をお持ちの方」の利用が増えている。利用経路も変化し、分散している。必
然的に従来型の支援では対応が難しく、個別支援が必要な状況となっている。支援の特徴とし
ては、3つほどの方向性があるように思われる。従来型の支援を踏襲しつつプログラム強化を図る方向(プログラム強化)、職業準備性の支援よりも就職に向けたニーズの把握と具体的な
就職支援を重視する方向(ジョブコーチ型支援重視)、支援プログラムに特徴を持たせるとい
うよりは、地域の就労ニーズを掘り下げ、関係機関と連携しながら困難ケースに対応する方向
(地域ニーズ掘り下げ・連携強化)である。
いずれの方向性であっても、個別対応の比重が多くなり、高い支援力が求められる。
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