感染予防のための在宅支援サービス(テレワーク)
東京都知事による外出自粛要請を受けて、就労移行支援事業所HOPE神田では、希望される利用者に対して在宅支援を開始しました。
HOPE神田を利用される方の中には、発達障がいや自閉症などの特徴の一つとして、急な環境の変化にストレスを感じる方や、自宅での過ごし方に不安のある方(ご家族)も相当数いらっしゃいます。
そうした方々に対しては、施設内の感染症対策や予防指導をきちんと実施しながら、安心して訓練に臨んでいただけるよう、通所による支援を継続しております。
一方で、在宅での訓練を希望される方に対しては、ご自宅での作業環境を確認させていただいたうえで、在宅での訓練・支援を提供いたします。
2割の利用者が在宅訓練を希望
HOPE神田では、事前に利用者・ご家族に対して、在宅訓練のご希望、ご自宅での作業環境(主にパソコン環境)、在宅訓練における心配事を伺いました。
結果として、2割の利用者が在宅訓練を希望されました。
知的障がいをお持ちの方も含まれます。
ご家族からの心配事としては、やはり「生活リズムの乱れ」があがりました。
在宅訓練では、“いつ通所しても大丈夫な状態” を目指すべく、以下のような支援を実施して参ります。一部をご紹介いたします。
① 通所と同時間の訓練
② 時間割表(訓練プログラム表)の配布
③ 生活管理表の記入
④ 日誌の記入(体調・気持ちの状態等)
⑤ 職員による定時電話連絡
⑥ 週1回の通所面談
⑦ ご家族との情報共有
知的障がい・発達障がいの方にとっての在宅就労
身体障がいをお持ちの方の在宅就労(テレワーク)はよく耳にします。
しかし、知的障がいや発達障がい(特に自閉症)の方の在宅就労はほとんど聞きません。
HOPE神田の卒業生には、知的障がいや自閉症の方もたくさんいらっしゃいますが、通勤途中や社内での行動がトラブルになってしまい、退職を余儀なくされた方が一定数いらっしゃいます。
全員、はたらく意欲があって、毎日しっかり通って、仕事はできていたり、作業面では大きな指摘を受けていない方々です。
「だからこそ社会性やコミュニケーション力が必要なのだ」という考えはもっともですし、訓練によって身につくこともたくさんあるのも事実です。(就労移行の存在意義の一つです)
しかし、通勤やオフィス環境での就労そのものが、就労継続にとっての潜在的なリスクとなっている方がいらっしゃることもまた事実です。
そのような方々にとっては、在宅就労(テレワーク)、もしくは在宅就労とオフィス就労の組み合わせが、就労継続における解決策になり得るのかも知れない、と考えています。
在宅就労の可能性を探る
今回、卒業生の就労先でも、在宅就労や自宅待機の指示が出ている企業があります。
生活リズムが崩れないように、私たちもサポートをさせていただいておりますが、企業もそこを一番心配しています。
今回はあくまでコロナ対策のため、生産性は二の次になっていると感じますが、定常的な在宅就労になってくると、作業の生産性が当然求められると考えます。
それから、コミュニケーション手段です。
在宅就労に必要な社会性やコミュニケーションスキルの習得、コミュニケーション手段の確立、生産性を企業にアピールできる作業内容の取得、福祉との連携方法など、課題はたくさんあります。
知的障がいや発達障がい、自閉症をお持ちの方の「在宅就労」の形を探っていきたいと考えています。