就職支援の現場から HOPE神田ブログ -就活関連-
毎週火曜日 午前の「就職指導」プログラムでは、企業の“障がい者雇用求人”への応募で必要な”配慮事項”について、繰り返し取り上げて理解を深めています。
企業や官公庁が障がいをお持ちの方のために用意した求人です。ハローワークの求人票だと、「求人票(フルタイム/パートタイム)」の隣に、こっそり(障)という文字が入っている求人は、障がい者雇用求人です。 この、障がいをお持ちの方に向けた求人、というのが、配慮事項を理解するうえでの最大のポイントです。
企業は、”障がいをお持ちの方”を雇用したくて求人を出しています。そのため、企業が、採用選考時に真っ先に知りたいことは以下のようなことです。
障がいをお持ちの方を雇用したいので、障がいについて、知りたいのです。(話が少しややこしくなりますので、ここでは障害者差別解消法や合理的配慮については割愛させていただきます。) そのため、面接会のような15分程度の短い面接でも、ほぼ100%、これらのことは面接官から聞かれます。
全く答えられずに採用されることはまずありません。企業が最低限知りたいこと、雇用するうえで知らなければならないことを企業側が知ることができなければ、雇用に繋がらないのは当然です。
言語に障がい特性のある自閉スペクトラム症の方や、重度判定をお持ちの知的障がいの方も、伝えられる限り発言していくことが必要です。私たち支援者からもきちんと企業に説明しますのでご安心いただきたいのですが、主役となるご本人が自分で発言する姿勢が大切です。伝えるための練習は、事業所で繰り返し行います。
障がいについての受け答えで、もう一つ大事な側面があります。それは、ご本人が、自分の障がいについてを“どの程度理解しているか”、です。
配慮事項を本人視点で言い換えると、配慮事項とは、“職場で仕事していくうえで、職場の周りの方々に対応や手助けをお願いしたいこと”、となります。
対応や手助けをお願いしたい、ということは、対応や手助けをお願いしないと仕事するうえで困ってしまうことがある、ということです。
簡単に言うならば、困り感がご本人にあるかどうか、です。
ご本人に困り感がなければ、対応や手助けを求めたいとは、なかなかならないのではないでしょうか。
本来仕事するうえでは配慮が必要な方であるのに、ご本人がその必要性を感じていない→自分でも工夫していこうとはなりにくい→周囲の理解を得ていくことが難しくなる、というように就労継続における課題点となる場合もあります。
そのため、企業によっては、応募者の障がい種別や特性の程度に応じて、もっと突っ込んだ質問をしてくることもあります。
一言で配慮事項と言っても、配慮事項を整理していくには、いろいろな判断材料が必要です。ご本人の障がいについてはもちろんのこと、どのような場面でどのような対応が有効なのかを、一つ一つ見つけていくことも必要です。ある程度の時間も必要です。ここがまさに、事業所や支援者の腕の見せ所だとも言えます。
もちろん、ご本人と一緒に行っていきます。ご本人も、自分自身の障がいについて、可能な限り、理解を深めていくことが望ましいと考えます。人によっては、困り感を経験することも必要なプロセスかも知れません。苦手なことばかりではなく、できるようになったことや強みもしっかりとお伝えし、心も一緒に成長していけたらと思います。
少し長くなりましたが、就労移行支援事業所HOPE神田は、プログラムはもちろん通所訓練を通じて、実際の就労環境に近い訓練環境を作っています。机上ではなく経験の積み重ねで、支援者と一緒に“配慮事項”を整理していけるのが、HOPE神田の強みだと思います。
プログラムや訓練にご関心のある方は、お気軽に見学にいらしてください。
配慮事項の伝え方
通所訓練を継続しています
ご本人はもちろん、ご家族・関係機関の方の相談や見学も承っています。個別に丁寧に対応させていただきます。
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