卒業生の就労先企業には、実は”障がい者雇用がはじめて”という職場も少なくありません。
中小企業に限った話ではなく、従業員1,000名以上の大企業であっても、支店や工場では採用しているけれど本社でははじめて、という職場も結構あります。
職場の受け入れ体制や仕事内容にもよりますが、条件さえ合えば、私たちはむしろ「チャンスだ!」と考えています。
そう考えるいろいろな理由がありますが、
一番の理由は、仕事ありきの採用ではなく、“人”ありきの採用となる可能性がとても高いからです。
職場はまず、任せる仕事を考えるところからスタートします。
このときに、任せる“人”が具体的に設定されていれば、任せる仕事もより具体的にイメージしやすくなります。
そして、私たちやハローワークの方も、この「切り出し業務の検討」段階であれば、より業務に関与させていただける可能性が高くなります。
殊、私たちにとっては、訓練生の希望や特性に、よりマッチした業務を、企業に切り出してもらえるかも知れない貴重な機会です。
就職への不安も抱える訓練生にとって、就労開始段階から少しでも自分に合った業務を行えることは、就労後の環境適応やストレス軽減、自信への繋がりにおいて、大事なことだと考えるからです。
とはいっても、“はじめて”の職場は、職場や本人、ご家族、私たち職員にとって、やはり多少の不安は残ります。
そこで頼りになるのが「ジョブコーチ」の存在です。
ジョブコーチとは、職場適応援助者のことで、職場定着のために、企業に一定期間、複数回訪問して、職場・本人双方に対して具体的、かつ直接的なサポートをしてくださる方を指します。
障がい者雇用対策として国が定めた公的な制度で、会社も本人も、無料で利用できます。
例えば、職場に対しては、本人の特性にあった業務の切り出しや作業指示の出し方、接し方などの助言を。本人に対しては、職場からの指示や意図を、本人がより分かりやすく実行していけるように、伝え方の工夫や冶具の活用など様々な方法で手助けしてくださいます。
詳しくは、厚労省のページをご覧ください。
参考:職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について(外部サイト)
HOPE神田も、就労初日の同行や職場・本人との定期的な状況確認、一定間隔での職場訪問など定着支援を行いますが、“はじめての障がい者雇用”など、特に厚いサポートが必要な場合はジョブコーチ支援のご提案をしております。
なお、ジョブコーチ支援には、職場・本人の同意が必要となります。
山本