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就職した後の支援(定着支援)について④

就職支援の現場から HOPE神田ブログ -その他-

就労開始直後の段階と、就業がある程度の軌道に乗った段階での基本的な定着支援について、前回のブログ(就職した後の定着支援について③)でご紹介しました。特に問題が生じていないとき=平時の定着支援は、大きな問題の発生を未然に防ぐための支援とも言えます。

問題発生の予防という観点から、平時の定着支援は”リスクマネジメント”の視点が大事だと考えます。ご本人の状態や仕事内容、職場の理解、受入れ体制、環境も含めた総合的な評価から、ご本人の就労継続を脅かす致命的なリスクはどこにあるかを、いかに的確に支援者が捉えられるかがポイントだと思います。

たとえば、職場の上司にAさんという人がいて、このAさんはご本人と採用時からの関わりがあって、ご本人の障がいをよく理解し、業務指示も情報整理への配慮からAさんが中心となって行う体制になっていて、且つご本人もAさんに相談しやすく、相性も関係も良いというとき、ご本人にとっての職場でのキーパーソン(本人を支える重要人物)はAさんという見方ができます。就労も安定し、特に問題なく働けています。

でも、Aさんが異動や退職してしまったらどうでしょうか…? 

Aさんは、ご本人にとって大切なキーパーソンであると同時に、キーパーソンであるが故にご本人の就労継続にとって大きなリスクであるという見方もできます。このような場合は職場の体制そのものがリスクであるということを会社側に伝えて、Aさん以外の方の関わりを増やしたり、ご本人との関わりマニュアル(配慮事項など)を作成して引継ぎに備えるなど、何らかの具体的な対策を講じることを提案します。

たまたま職場の体制がリスクであるという例になりましたが、障がい者雇用の現場では、実はよくある話です。中小企業に限った話でもありません。余談を書かせていただくと、誰が上司になるかで就労の安定性が傾かないようにするには、ご本人の適応力や支援者の支援力はもちろんですが、企業側の姿勢や組織力も重要なポイントだと思います。

ご本人側にリスクがある場合ももちろんあります。ご本人側と職場側、会社で働く以上はそれぞれに何かしらのリスクが存在していて、リスクは大なり小なりあります。予見できるリスクと予見しにくいリスクもあります。わかっていても解決できないこともあります。問題が発生することもあります。いろいろある現場に対応していくのが定着支援です。支援の質を高めていくために、研鑽と努力を続けていかなければならないと思います。

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